2016.11.09 14:19

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過去に4度ほど入院したことがある。

最初は肝臓の病。
2度目は胆嚢の病。
3度目と4度目は妊娠中の大量出血で。

最初の入院の予兆は「立って歯が磨けない。」だった。
立って歯を磨かないことが多々あった当時の私は
その身体の変調を特に重大なことと認識せず、
ただただしんどいな、と思っていた。
いちはやく変調に気が付いたのは母親だ。
母の勘というのは本当にすごい、と今でも思う。
「病院に行け、病院に行け。」としつこく言ってくるものだから、
最初はうるさい蠅をはらう程度で適当にあしらっていたのだが
仕方ないなーと重い腰をあげて、当時勤務していた病院を受診した。
結果は異常なし。
「えっへん」感を漂わせながら母に報告した記憶がある。
しかし、そこに大きな落とし穴があった。
母の勘が鋭すぎて、血液検査の結果に病状が反映する前に
受診してしまっていただけだったのである。
その後、体調はみるみる悪化し、
前方15度の傾斜姿勢でしか歩けなくなった私は
大学病院を受診するはめになるのだが
即刻入院をすすめる医師に
「明日の入院じゃだめですか~?何も準備してないし~。」と軽くごねたら
「あなた、死にますよ。」と真顔で言われた。
まだ死にたくない私は慌てて入院準備を整え、すたこらさっさと
大学病院が紹介してくれた中堅病院の個室に入院したわけだが
風呂に入れないのはもちろん、部屋から一歩も出てはならず
必要最低限トイレと歯磨き以外はベッドで暮らす安静入院に
「きえー!!!」と気が狂いそうになったのを覚えている。
窓のサイズにあっていない10cm短いカーテンの隙間から
となりの駐車場を煌々と照らす盗難よけの灯りがビームのように入ってきて、
真っ暗じゃないと眠れない私の繊細な神経を思いっきり逆なでしたことも。
個室を一歩出ると、老人しかいない。
どうせ出れないんだけど。
老人の海に囲まれた陸の孤島の安静住人は、
看護師さんの手を煩わせることのない優良患者だったに違いないと思う。
とにかく暇だった。
姉が貸してくれた村上春樹先生の「ねじまき鳥クロニクル」の分厚さが
救世主に見えるくらいに。
ちなみにミュンヘンの日本語活字欠乏生活を救ってくれたのも彼だ。
「海辺のカフカ」を繰り返し繰り返し繰り返し読んだ。
リピートしてもリピートしてもいまだに飽きない私の鉄板よ。
話はそれたが、
今考えると、4度の入院経験はそこそこ深いところで
私の人格を形成したような気がするので書き留めておこうと思う。

この肝臓の入院は、次の入院のプロローグになるのだが、
それはまた別の話。

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この記事へのコメント

私も

昨年入院した時に、村上春樹を読みましたよ〜

| tomoemon | URL | 2016.11.11 22:59 |

tomoemonさんへ♪

> > 「トモえも~ん!!(泣)。」
> > わたしたち、入院仲間だったんだね~涙。
> > しかも昨年なんて、なんとフレッシュな。
> > フレッシュ過ぎてびっくりだわさ。
> > 今は元気なのけ?
> > 春樹先生の何を読んだのかな?
> > 私なら1Q84を3冊持って病院に乗り込むと思われます。
> >
> > 病院って入院したことある人じゃないとわかんない世界だよね。
> > 何事も『イクスピアリエ~ンス(発音に忠実に表記してみた)!!』
> >
> > 入院中、朝食についてくる牛乳に
> > インスタントコーヒー入れてコーヒー牛乳作って飲むのが日課で、
> > 密かな楽しみだったな。
> > だから今だにお湯で溶かさなくてもいいブレンディ―派!なの。

| 朔 | URL | 2016.11.14 16:06 |

まさに。

1Q84ですよ。
ねじまき鳥クロニクルを読み始めた時に退院になりました。笑
私、食わず嫌いなので、村上春樹が、なんで面白いかもわからなかったの、けど、絶食で何もすることができないので、本読むしかなかったもんで、旦那が持ってきたのが、春樹。以外とハルキストな旦那です。
ブレンディってお湯にとかさなくていいんだね!初めて知った(= ̄ ρ ̄=)

| tomoemon | URL | 2016.11.20 10:15 |

tomoemonさんへ♪

おお!
読破してやりましたか!1Q84。
ご主人も春樹好きなんて、なんちゅう親近感♪
親近感わきまくりです。ま、もともと親近感わいてたけど。
ぜひ夫婦でハルキスツ(複数形)になっていただきたい。

うちはロンリーハルキスト(涙)。さびちー!
旦那マンはだいたい、仕事関連本か文具特集の雑誌を読んでいる。
机の上を今、見てきたら
「古典ギリシア~寝ながら読める外国語~」が乗ってたよ。
睡眠学習でもしてんのか?
ノーベルとるまえに春樹を読まんと時代に取り残されっぞ!

そういえば、ノーベル賞とった大江健三郎の小説「宙返り」
ノーベルとったし読んでみるか…と手にとって読んだけど
苦行だったねー。途中からおもしろくないのに
「俺とお前(健三郎)の闘いだ、むうう、負けん。」って
気分になって読破したけど、内容、まったく覚えてないわ。
ノーベル、関係ない。
好き嫌いで本を読もう。
食わず嫌い、上等です。

ちなみに今はまっているのは西加奈子と星野源です。
自由に販売中の本を読めるブックカフェで
星野源読んでたら、おもろくて店で読破しちゃった。
ぶはっ!っとふきだす場面がたくさんあるので、
人生に疲れた時におすすめですよ。

ブレンディは冷たいお水で溶けます。
ブレンディも好きだけど、知世ちゃんも好きです。
同じ髪型に何度もしたけど、だれも気が付いてくれないので、
自ら告知してました。

| 朔 | URL | 2016.11.22 10:58 |

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